家族信託(家族信託は難しい?)
家族信託は、老後の資産管理や相続対策などの目的で用いられる方法・仕組みの一つで、最近注目を浴びて、活用例も増えてきています。
弊所でも実際にご相談・ご依頼がとても増えております。
しかし、この制度を利用する上で理解しておくべき難しい点もいくつか存在します。
家族信託を行うには、信託契約書のほかにも各種書類の準備が必要となります。
これには公証人の関与も求められることが多く、予想以上に複雑で、手続きに時間が掛かることがあります。
また、信託財産の種類によっては特別な手続きが必要になる場合もあり、十分な知識がないととても困難です。
更には、信託法の知識はもちろんのこと、税金の知識やその他の法律の知識も必要です。
ネット上や書籍などでは、「家族信託の雛形(ひながた)」などが多くありますが、実務の上では参考程度にしか活用できないものが多いと感じます。
実際にご相談を受け、ご検討されるご家族様、そのご家族様の数だけ異なる家族信託の組成が必要で、ひな形で完了することは、まずありません。
また、信託財産の運用先となることが多い機関(銀行や証券会社など)もまた「家族信託」の取扱い条件がまったく異なり、ご相談者様のご希望に沿う「家族信託」の形を作るまでが一番時間が掛ります。
これから更に活用されると予想される「家族信託」ですが、ご検討される場合は、専門家と「十分すぎる程のお打ち合わせ」をすることお勧めします。