移動販売

キッチンカー営業に必要なもの

キッチンカー(移動販売)を開始するにあたって、食品衛生責任者証と保健所の営業許可を取得しなければなりません。
どちらの資格も、キッチンカー(移動販売)での営業に関わらず、飲食店を営業する場合には必ず必要になってきます。飲食だから調理師免許が必要なのでは?と考える方もいますが、キッチンカー営業には不要です。

営業許可とは、「保健所の指定する基準を条件を満たしたキッチンカーに対する許可」です。

この営業許可証がないと、希望する地域でキッチンカーを使った販売ができません。
営業許可を取得する流れは、下記となります。

①所管の保健所に相談
②必要書類の提出
③設備の確認検査
④検査結果に問題がなければ、営業許可書が交付される

営業許可の申請は、住んでいる最寄りの保健所ではなく、「販売する地域を管理している保健所」で申請・取得を行います。
販売する地域によって、1つの営業許可で県内で販売できる場合と、1つの営業許可で県内の1部地域のみで販売できる場合とあります。1つの営業許可で特定の地域のみ販売可能な場合、対応可能な地域が変わることもありますので、各保健所で確認の上、申請しなくてはなりません。

食品衛生法の改正

2021年6月以前は、営業許可の条件が各都道府県の保健所により異なっていましたが、現在は「全国共通」へ変更となりました。しかし、細かい条件が申請地域によって異なる場合があります。そのため、必ず営業したい地域の保健所が提示する条件を確認する必要があります。

「自分がどこの地域で営業したいのか」「何を販売したいのか」を決めておくと、キッチンカーを購入またはオーダーした後に再度改造が必要になることなく、必要以上の経費を防ぐことが可能です。

営業許可は「飲食店営業」

キッチンカーでは、販売するものによって「飲食店営業」「菓子製造業」「喫茶店営業」と営業許可の区分がありました。しかし、2021年6月1日改正から、すべて「飲食店営業」のみの許可へ変更となりました。また、営業許可の有効期限は5年間。5年ごとに更新料が発生します。

2020年6月に改正食品衛生法が施行され、
飲食店ではHACCP(ハサップ)の実施が義務化されました。

大規模事業者には『HACCPに基づく衛生管理』、小規模事業者や飲食店など特定の業種向けには、簡略化された『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理』が求められます。※HACCP(ハサップ)とは:原料の受け入れから製造・調理、製品の出荷までの一連の工程や貯蔵・保管、販売において、食中毒等の健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を分析し管理する方法です。

先にキッチンカーを購入する前に、まずそのキッチンカーが営業するに足りる設備基準を満たしている必要があります。以下、最低限必要な設備になります。

  • 運転席と調理場は完全に仕切られているか
  • 給水・排水タンクの設置され容量は充分であるか
  • 水道蛇口が非接触水道であるか
  • シンクの数は充分であるか
  • 収納ケースや棚の設置は充分であるか
  • 石鹸は常時、清潔さを保てる状態であるか
  • 換気はしっかり考慮されているか
  • 冷蔵庫・冷凍庫の設置
  • ゴミ箱の設置

給水・排水タンクの設置され容量は充分であるか

キッチンカーの場合は、一定の上限下の中で水を使用することになるため、衛生を保つ為にも十分な容量の給水・排水タンクを設置する必要があります。

今までは自治体によって基準が大きく変わっていましたが、2021年6月改定により、40L程度、80L程度、200L程度の3種類に統一されています。また、タンクの大きさによって、メニュー数や調理工程に規定も設けられています。

水・排水タンク容量が40L程度
簡易な調理のみ(温める、揚げる、盛り付ける等)を行うことができる
単一品目のみ取り扱える
使い捨て食器を使用する
車内での仕込み不可
給水・排水タンク容量が80L程度
二工程程度までの簡易な調理ができる
複数品目を取り扱うことができる
使い捨て食器を使用する
車内での仕込み不可
スクロールできます
給水・排水タンク容量が200L程度
大量の水を要する調理を行うことができる(※1)
複数品目を取り扱うことができる
複数の工程からなる調理を行うこと
通常の食器を使用すること
車内での仕込み可能(※2)

※1大量の水を要する調理とは?
ラーメンやうどん、蕎麦などの汁物を提供する場合おおむね該当します。
※2:仕込み行為の範囲について、各都道府県で違いがあります。

提供する品目の違い

給排水タンクの容量によって、提供可能な品目数が異なります。単一品目とは、クレープならクレープ1品で1カウントされ、1メニューだけ提供が可能です。他にドリンクなどを同時に提供することができません。複数品目とは、からあげ+ポテト+ドリンクなど、異なる複数のメニューを1台のキッチンカーで提供できるという営業許可の条件です。

80㍑と200㍑では同じ「複数品目」となっていますが、ともに品目数無制限ということではなく、保健所によっては「そのキッチンカーに搭載された設備で可能な程度の複数品目」であったり、「調理工程の範囲であればメニューの制限なし」であったり、という違いがあるためあらかじめ確認する必要があります。

提供する容器の違い

給水タンクの容量によって、提供に使える食器が異なります。40L又は80Lの区分ではすべてのメニューで使い捨て容器を用いて提供する必要があり、200Lの区分では洗浄可能な食器を再利用して使用することができます。

水道蛇口が非接触水道である

水道の蛇口を、手を綺麗に洗った後に再度蛇口に触れて水を止めてないように、ハンドル部分に触れずに止めれる非接触水道にする必要があります。
ハンドル部を触らなくて良いようにセンサータイプの蛇口である必要があります。

シンクの数と大きさ

シンクの数は保健所の地域によってルールが異なります。
必ずキッチンカー(移動販売車両)を購入する前に保健所に、シンクの数とシンクの大きさの要件を確認をするようにしましょう。

運転席と調理場の仕切り

食中毒を防ぐため、調理場は衛生管理が徹底されていなければいけません。
そのため、運転席部分とキッチン部分が別の空間として区切られている必要があります。
トラックタイプのベース車両に、キッチンボックスを乗せる形で製作されているものであれば、気にする必要はありません。しかし、ハイエース等のバンタイプの場合、運転席と調理場が分かれていないことが多いので、注意が必要です。

キッチンカーで人気の車種、クイックデリバリー も対策が必要ですので、お気をつけてください。特に中古車両でこの点がクリアされていないと、改造費がかかってきてしまうので事前にチェックしておきましょう。

手洗い・消毒等、清潔さを保てる状態

食品を扱う際、一番気をつけなければならないのが、食中毒です。

食中毒の原因は、一年を通して発生するO-157やノロウイルスとなります。菌を発生させないためにも、常に手洗いや消毒ができる場所と設備を確保することは必須事項です。清潔な状態を維持できるようなキッチンの状態、石鹸や消毒用アルコール・キッチンペーパーなどはしっかり完備されているよう準備する必要があります。

収納ケースや棚の扉を完備

収納ケースや棚の中に虫が入らないように扉等でしっかり中のものを保管できる状態であるか確認する必要があります。保健所によって判断が異なるため、細かい部分に関しても事前に確認を取ることをおすすめします。

冷蔵庫・冷凍庫の設置

保冷が必要な食材がある場合、設置が必要になります。
また、走行中もしっかり電力が供給される設備であることを確認する必要があります。

換気の設備

「窓を開ければ換気ができるから大丈夫」では保健所の許可はおりません。
換気扇がしっかり備わったキッチンカーである必要がります。また換気扇から虫が入ってこないよう網戸を設置する等の工夫もすることをおすすめします。

ゴミ箱の設置

ゴミ箱は衛生管理上、必ず必要なものです。蓋付きのものを準備しましょう。

食品を扱う営業を行う場合、必ず「食品衛生責任者」を置かなくてはなりません。
食品衛生管理者とは、食中毒や食品衛生法違反を起こさないように、食品衛生上の管理運営を行うことが目的で、必ず置かなくてはいけない設置義務があります。

キッチンカーでも食品を扱うため、当然必要な資格となります。
保健所が実施する講習会の受講を受けることにより、資格を取ることが可能です。

「飲食業界」が未経験で「調理師」の資格がなくても、6時間以上の養成講習会を受講すると資格が取得できます。ただし、講習会は1か月先まで満席になっている場合が多いため、早めに受講の申し込みをおすすめいたします。

食品衛生責任者の資格は、全国共通となります。すでに取得されている場合は、取得不要です。
また、下記の資格を持たれている方は取得の必要はなく、申請だけで取得できます。

  • 栄養士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • と畜場法に規定する衛生管理責任者
  • と畜場法に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 船舶料理士
  • 食品衛生管理者、もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者

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