動物取扱業
こんなお悩みはありませんか?
- 動物の売買の手続きをしたいけど何から始めていいかわからない
- ペットに関する商売を始めたいけど、手続きがよくわからない
- 各種許可申請の手続きが煩雑でめんどう
- そもそも要件に当てはまるのかわからない
- どこから始めていいのかわからない


ペットをお取扱する事業をするには第一種動物取扱業の登録が必要です。
第一種動物取扱業(販売・保管・貸出し・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養)を行う場合は、「動物の愛護及び管理に関する法律」第10条の規定に基づき、事前に第一種動物取扱業の登録を受けなければなりません。
登録をせずに第一種動物取扱業を営んだ者、又は不正な手段で登録を受けた者は、100万円以下の罰金に処せられてしまいます。

第一種動物取扱業登録が必要な業種一覧
- 動物の小売業者、卸売業者、販売目的の繁殖又は輸入を行う業者
- 飼養施設を持たずにインターネット等により販売等を行う業者
- ペットホテル、ペットシッター、ペットトリマー
- ペットレンタル、ペットタレント派遣業
- 動物の訓練、調教(出張するものを含む)
- 動物園、水族館、サーカス等の展示業
- 会場を設けて行う動物オークション
- 有償で動物を譲り受けて飼育を行う者(老犬、老猫ホーム等)

ほか
- 畜産業者や実験動物のみを取り扱う業者
- 保管や訓練を行っているが、「業として」行っていない者(例:動物検疫所、警察犬訓練施設等)
※動物愛護法でいう業とは、主として、1.社会性をもって、2.反復継続的に又は多数の動物を、3.営利の目的等をもって動物を取扱うことを意味します。
動物の送迎(ペットタクシー)をする場合
ペットの送迎・輸送(いわゆるペットタクシー)を業とする場合は動物を一時預かりしますので、動物取扱業の「保管」の登録が必要です。また、法律上ペットは「物」として扱われますので、「物」を運んで報酬を得るためには「貨物軽自動車運送事業」の届出を行い、黒ナンバー(事業用)を取得する必要があります。
※この「貨物軽自動車運送事業許可」は、物を運送する際の許可となりますので、ペットと同時に飼い主である人を運送することはできません。

無許可で送迎した場合は三年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはその両方が科せれてしまう可能性があります。

貨物軽自動車運送事業許可
項目 | 要 件 |
---|---|
営業所・休憩 睡眠施設 | 車庫から2kmにあること 農地法、都市計画法、建築基準法等の関係法令に抵触していないこと |
車庫 | 営業所・休憩・睡眠施設から半径2km以内にあること 営業用車両を容易に駐車できる広さがること 農地法、都市計画法、建築基準法等の関係法令に抵触していないこと |
車両 | 事業に使用する車両の車検証上の用途欄が「貨物」となっている軽貨物自動車であること 使用権限を有することの裏付け書類があること |
運送約款 | 運賃及び料金の収受並びに貨物軽自動車運送事業者の責任に関する事項等が明確に定められているものであること |
運送管理体制 | 事業の適正な運営のため必要な管理体制が整っていること |
損害賠償能力 | 自賠責保険、自動車任意保険に加入すること |


第一種動物取扱業の登録を受けるには、最低限準備しておかなければならない事項があります。
動物取扱責任者の設置
「動物取扱責任者」とは、第一種動物取扱業の登録を申請する際に、第一種動物取扱業者が事業所ごとに常勤かつ専属の職員の中から選任する者のことです。動物取扱責任者には資格要件があり、要件を満たしている者の中から選任しなければなりません。

動物取扱責任者の要件
動物取扱者は、事業所ごとに常勤の職員の中から専属として選任された者である必要がありますが、申請者自らを動物取扱責任者として選任することも可能です。
動物取扱者として選任されうる条件としては、
- 獣医師免許を有する者
- 動物看護師免許を有する者
- 資格(専門性を有する社団法人等の試験に合格している)及び実務経験(第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経験がある)
- 卒業(獣医学、動物看護学、畜産学などを学ぶ大学、専門学校などの教育機関を卒業している)及び実務経験(第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経験がある)
実務経験や卒業教育機関、取得資格については、取扱う種別ごとに異なりますので、事前に確認しておくことが必要となります。

令和2年6月の改正前は、業務に関する資格、実務経験、卒業のいずれかであれば動物取扱責任者の要件を満たしましたが、今後は資格or卒業と実務経験の2つが必要となります(国家資格以外)。なお、現在すでに動物取扱責任者となっている方も、令和5年6月までにもう一つの要件を満たす必要があります。
動物取扱責任者の実務経験に関する緩和措置
法改正により、動物取扱責任者に実務経験が絶対に必要になったというわけではなく、緩和措置があります。
動物取扱責任者の実務経験についての要件は「6か月以上」、そして「常勤」として勤務していたことです。ということは、非常勤のアルバイト・パートでは6か月働いても実務経験が満たせないということになります。知り合いなどの店で仕事が休みの日に週1〜2回働くといった方法では6か月の実務経験は満たせません。
しかし、動物取扱責任者の実務経験については緩和措置があります。それは「代替する手段の設置」です。
「取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる1年間以上の飼養に従事した経験」も認められる場合があります(ただし、ペットとしての飼育経験は含まれないとされています)。


第一種動物取扱業の登録を受けるには、取り扱う動物を飼養するための十分な設備がなければなりません(飼養施設を設けて業を行う場合)。
飼養施設を設ける場合、取り扱う動物の飼養に対応したケージ等の設備に加え、ケージ等を設置する建物自体の証明や給排水、消毒や清掃設備等についてもしっかりと備えられている必要があります。また、その飼養施設自体の使用権限を有していなければならず、所有権、賃借権等を書面によって証明する必要があります。



許可取得後、事業を行ううえで各種管理の実施・記録をしなくてはいけません。
飼養施設及び動物の点検状況記録台帳
飼養施設がある場合は、清掃、消毒、動物の状態等の確認の実施状況を記録し、5年間保管することが必要です。第二種は努力義務です。
- 飼養施設の管理について、1日1回以上巡回を行い、清掃、消毒及び保守点検の実施状況を記録して5年間保存します。
- 動物の管理について、1日1回以上巡回を行い、動物の数及び状態を確認するとともに、その実施状況を記録して5年間保存します。
繁殖実施状況記録台帳
動物を繁殖させる場合、その実施状況(交配日、出産日、出産数、母子の状態など)を記録して5年間保存します。
取引状況記録台帳
動物の仕入れ、販売等の動物の取引状況(取引の相手方氏名、取引内容など)を記録して5年間保存します。
販売業・貸出し業・展示業・譲受飼養業の場合、「動物販売業者等が取り扱う動物に関する帳簿」に代えることができます。

